日本の美、世界の美に根ざした宿づくりを目ざして
3年前にラウンジをギャラリーに改修し、2年前には、ロビーの改修を、そして昨年はレストランの改修工事を行いました。1つ終えると不思議に次という気持ちになります。心が高揚すると言うか生き方が力が湧いてくるように思います。
毎回、設計士を入れずに自らの美意識を信じ、進めておりますが、テーマは「清らかな空気が流れる空間づくり」です。
どんな空気が漂いはじめるか、この1点に集中しました。
色とか、デザインがどうのこうのではありません。
その空気とは、ヨーロッパの修道院や日本のお寺に行った時のような聖なる空気感です。
その旅館に流れている空気が清らかなこと。私が最も重要視するものの1つです。
もう1つ重要に思うものは、その旅館のセンスです。建物に凝ったり、内装にお金をかけるだけでは生まれてこないもの。たとえば、花の活け方や館内の香り、センスのよいアートなど、純粋に旅が満喫できるシンプルな洗練された宿であるかどうかです。
今の時代、旅館に求められるものは、美術的にも文化的にもハードルは高くなってきています。ほどほどの感覚では、お客様は満足してくれません。
日本の美、世界の美に根ざしたものを考えなくてはなりません。そして、現在という時代の空気感を考え、しゃれた旅館づくりをして行こうと思っております。
最後に2点ほど、日頃思っていることをのべたいと思います。
@お客様に迎合しないこと
自分の信じるものを自信を持って提供していくこと。
A無言が大切
心を形に表すこと。言葉ではいくらでも言えるけれど形にすることは難しい。しかし、形にならない心など信用することは出来ない。旅館でも口で説明するよりは形に表すことが大切である。講釈はいらない。無言でも心は伝えることは出来る。しつらい、花、料理、サービス、どれをとっても説明など必要ない。
無言でことは進んで行き、最後にお客様は納得してお金を支払う。本当の感激とは、無言である。口コミが大事と言う人が多いが、本当の感激、感動は自分1人の心にしまっておくものである。
お客様は無言で帰って行く。
無言で帰られるその中に答えがあり、真実がある。